2017年9月4日

保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービス【保育のお仕事】(https://hoiku-shigoto.com/)を展開する、株式会社ウェルクス(本社:東京都墨田区両国)は、読者を対象に行ったアンケートに基づいた独自のコンテンツを発表いたしました。

これは、保育士の有給休暇取得の実態を調査したもので、人材不足が叫ばれる保育の現場において保育士が有給休暇を取得できているのか、また取得の際どのような不満があるのかなど現状が伺える内容となっています。
 

調査の概要(一部)


年次有給休暇は、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇であり、労働基準法によって定められた労働者の権利です。

しかし保育の現場においては「有給休暇の取得がしにくい」「自由に取得することができない…」などの声が挙がっているケースも多くあるようです。

今回は、保育士さんの年次有給休暇の取得についてその実態を調査するため、107名の皆さまにアンケート調査へのご協力をいただきました。(※なおそのうち、有給休暇の付与対象である103名のご回答をもとに調査結果をご紹介します。)

まずは、今までに有給休暇を取得したことがあるかどうか伺ってみました。すると「ある」と回答した方が全体の86%、「ない」という回答は13%となりました。

ではどのような時に有給休暇を使うのか、実際に有給休暇を取得した経験のない方を除く90名に伺ってみました。

最も多かった回答は「体調不良のため」で71%。次いで「自分や家族の遊びや趣味のため(43%)」、「健康診断や通院などのため(33%)」という結果となりました。有給休暇を取得するケースの多くが、体調不良や通院などやむを得ない事情によるもので、趣味や遊び、子どもの行事などの目的で取得するケースを大幅に上回っていることが伺えます。

また「その他(11%)」のうちの6%については、職場の都合で取得させられるという内容になっており、有給休暇自体は取得しているものの、自由に使えないという職場もあることが伺えました。

では有給休暇の取得のしやすさについてはどうでしょうか。実際に今までで有給休暇の取得をしたことがある方を対象に、有給の取得がしやすいか否かを伺ってみました。

上のグラフのとおり、有給休暇が「取得しやすいと思う」という回答が42%だったのに対し、「取得しにくいと思う」という回答が58%と約6割を占める結果となりました。

ではなぜ「取得しにくい」と感じてしまうのか。その理由について伺って見たところ、最も多かったのは「人員不足や忙しすぎるなどの理由で取得している余裕がないから」で49%、次いで「体調不良などやむを得ない場合しか取得できないから(28%)」、「上司や先輩が取得しないから(18%)」という結果となりました。

【回答者の声(一部抜粋)】

・人員不足のため取れない。しかし、主任、施設長は旅行や私的な理由で普通に取っている。現場の人間が有給を取りたいと言うと、全員の前で嫌みを言われる。何のために取るのか、その日は駄目だとか、無理だとか言われ、嫌な顔をされてしまう。
(35~39歳/保育士・正規職員/女性)

・体調が悪くて休んだ翌日、園長に「有給は使わない方がいいよ」と言われた。有給はなんのためにあるのか…まったく意味がわからなかった。
(35~39歳/保育士・正規職員/女性)

 

自由回答からは、有給休暇を取得してしまうと、他の職員に負担がかかってしまうという悩みや、職場全体の固定の休みに有給が充てられて自由に使えない、雇用形態によって取得のしやすさが異なり不平等である、などの不満が伺えました。

年次有給休暇は勤続年数等に応じて、一定の休暇日数が付与されます。本来労働者の権利として付与されるものですので、期間内に使い切る、つまり有給を消化することは問題ないはずですが、実際に保育士さんたちは付与された日数分の有給休暇を取得できているのでしょうか?

有効回答者全員に対し「あなたの職場では付与された有給休暇は消化できますか?」と伺ってみたところ、「必ず消化できる」と回答したのはわずか16%。「必要性があれば消化できる」が33%、「消化できない」が41%と、半数近くの回答者は消化が難しい現状に置かれていることがわかりました。

また、「職場は消化できなかった有給休暇がある場合に何らの対処をしてくれますか?」と聞いてみたところ、「翌年に持ち越してくれる」が53%、「特に何の対処もない」が38%、「残りの有給分を金銭に換算して買い上げてくれる」に関してはわずか2%という結果になりました。

労働基準法第115条によれば、年次有給休暇の請求権の時効は2年。しかし実際には翌年への繰り越しがされていない、されたとしても制限があるなど、職場独自の暗黙のルールができてしまっているケースもあるようです。

最後に、有給休暇取得に関する不満や要望について、自由回答で寄せられたご意見を一部ご紹介しましょう。
 
 
【回答者の声(一部抜粋)】

・有給を取りたくても代替がいない。常に職員が足りないため、申請すると上司から嫌な顔をされる。上司が有給の意義や権利をもっと理解して取りやすい環境を整えてくれたら、休んだ後頑張ろうって気分になれるのに…と思う。
(45~49歳/保育士・正規職員/女性)

・どんな理由であれ、自由に取得させてもらいたい。有給を取得しやすい環境にして欲しい。
(20~24歳/保育士・正規職員/女性)

・人員が少ないことはしょうがないが、カバーができる範囲であるので、自由に有給を取らせてほしい。勤続年数、家庭環境(独身、小さい子がいる、介護)なども一人一人違うので平等に有給を取得しろと言われてもできないと思う。一個人の有給なので、職場の迷惑にならない限り自由に取得させてほしい。リフレッシュができず仕事へのモチベーションも下がってしまう。
(40~44歳/保育士・正規職員/女性)

・20年越えて勤務していても、2~3年目でも、平等という考え方で、年間で取得できる有給の数が変わらない。それは平等ではないと思う。(40~44歳/保育士・正規職員/女性)

・取得できないなら買い取ってほしい。
(25~29歳/保育士・正規職員/女性)

 

今回のアンケート調査結果からは、有給休暇が取りにくいと感じている保育士さんが多く存在するということが分かりました。

本来取得できるはずのものがなかなか取れない…これは職場への不満に直結し、保育士さんの「働き続けたい」という意欲をそいでしまいかねません。厚生労働省の定義の通り、保育士さんが心身の疲労を回復しゆとりある生活を送るためにも、昨今問題になっている保育士不足に対処するためにも、事業者側がこの現状に危機感を覚え、何らかの対策を取っていく必要もあるのではないでしょうか。
 
 
記事に関する詳細
【表題】「有給が取りにくい」が58%!保育士の職場環境の実態とは
【URL】https://hoiku-shigoto.com/report/trouble-at-work/paid-holiday/

アンケート調査概要

【アンケート実施概要】
・実施期間:2017年7月14日~7月19日
・実施対象:
 保育士/正規職員(69%)・保育士/パート・アルバイト(17%)・
 保育士資格取得見込/インターン・学生(1%)・幼稚園教諭/正規職員(6%)・
その他の保育関連職(3%)・元保育士(1%)
・有効回答者数:103人(全回答者107人うち有給休暇付与対象に該当する人数)
・平均年齢:35歳
・男女割合:女性/96%・男性/4%
・勤続年数:
 6カ月~1年未満(4%)・1年~2年未満(15%)・2年~3年未満(13%)・
 3年~4年未満(4%)・4年~5年未満(6%)・5年~6年未満(7%)
 6年~7年未満(6%)・7年以上(47%)

 
※ご協力いただきました皆さま、貴重なご意見をありがとうございました!
※いただいた回答は一部抜粋し、個人が特定できないようご紹介しております。

 
 
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